レベルスケール導入企業数は、今年も順調に伸び続けています。
ヘアカラーがすっかり定着し、次は“美しい”ヘアカラー、あるいはTPOをわきまえた“マナーのある”ヘアカラーが重視される時代へ、ヘアカラー文化が成長した証拠ではないでしょうか。
ただ、その一方で、「レベルスケールを導入したけれど、上手く使いこなせない」という声も聞こえてきます。もったいない話です。
そこで今月の更新では、『レベルスケールの導入ではじめる職場のヘアカラー・ルールづくり』の手順例をご紹介させていただきます。

1. 導入の前に
「レベルスケールか、うちでも導入してみようかな?」と今考えていらっしゃるあなたのは職場は次のうちのどんな状態ですか?
- ヘアカラーについての職場ルールはない。だからだろうか、この頃、仕事の場にふさわしくない明るすぎるヘアカラーをしている人が目立つ
ヘアカラーについての職場ルールはあるが、あいまいで客観性に乏しいルールなので、混乱がある。(たとえば「彼女の髪だって、私と同じぐらい明るいのに、なんで私だけ注意するんですか?」「明るすぎない髪色ってどんな色ですか?」など、で口論になるなど)
ヘアカラーは一律禁止している。しかし時代の流れか、違反者が目立つ。これだけ普及してしまうと、「一律禁止」では通用しないのだろう。しかし、完全自由化は不安だ。
ヘアカラーは禁止してきたが、従業員や顧客から、「解禁」への要望が寄せられている。この機会に、一定のルールを決めた上で解禁したい。
以上の4つが、JHCAに相談してこられる企業の代表例。
あてはまる職場にはぜひ、レベルスケールを活用してのヘアカラー・ルール作成・導入をおススメします。
JHCAのレベルスケールをご利用ください。ご利用の目安は、1職場に1スケール。サービス・流通業の方などは、個々の従業員が毎日出勤時にさっと髪あてて自己チェックできるようにしておくと、ヘアカラーの色だけでなく、全体のマナーも向上するようです。
2. レベルの決め方
決め方のパターンは2種類です。
- トップダウン方式
社長や管理部門が、「うちはこのレベル」と決めて、従業員に通達する
ボトムアップ方式
従業員が「マナー向上委員会」などをつくり、従業員と管理職双方の意見を調整した上で決定し、周知させる
ルールの定着率では、双方に差はないようですが、それぞれに向いている職場状況はあるようです。
- の場合は、比較的若い従業員、アルバイトやパートなど非正規雇用の従業員の割合が高い職場で主として行われています。
の場合は、幅広い年齢層、正社員や非正規雇用でも派遣社員の割合が高く、平均勤続年数が比較的長い職場で主として行われています。
3. 最適なレベル
レベルスケールが導入されたばかりの頃は、それぞれの企業担当者の方は、相当苦労して、自社に最適なレベルを決めていたようです。
その基本はまずヒアリング。従業員、管理職、マーケティングでの意見や希望を聞く。ついで検討。「自分たちの仕事の特性は?」とか「ふさわしい明るさは?」などについて話し合うほかに、「職場(売り場など)の照明との兼ね合いは?」といったことも検討されたようです。
※いち早くレベルスケールを導入してルール作りを行った日本航空の場合は、
レベルごとに染めたウイッグまで取り寄せてチェックしたそうです。
そうして今では、
最も受け入れやすい明るさとして、多くの職場が導入するレベル=7
医療、金融機関、公務などの職場が導入するレベル=5~6
ファッション、サービス、流通業などが導入するレベル=8~10
というのがほぼ一般化してきています。
※ちなみに、日本航空は6、ホテルオークラは7、KDDIは8、プランタン銀座
は10レベルです。ホテルオークラの場合は「館内の落ち着いた照明の下で
は、7の明るさがちょうど戸外で見る5~6レベルになるだろう」ということ
で、このレベルになっています。
※ホテルの例をもう1つ。あるシティホテルとリゾートホテルの両方がある
ホテルでは、それぞれの立地・役割にあわせてレベルを変えています。
「リゾート気分に、暗い髪色は似合いません。明るめのヘアカラーも、お迎え
する側としてサービスのひとつと考える」のだそうです。
4. ルールの指導方法
レベルを周知させた後は、個人チェック+定期的な管理者によるチェック&指導が一般的。
おしゃれという非常に個人的な分野にかかわる事柄ですから、強制はなじみません。まずは、自分の仕事がどのような仕事で、どのような身だしなみであるべきなのか、理解、納得してもらった上でのルール遵守、という道筋が大切なようです。
そうすることで自覚が生まれ、「全体としてのマナーも向上、企業ブランドが上がった」という企業もあります。
そのほかでもレベルスケール導入企業からお寄せいただくのは
「レベルスケールという客観的な判断基準があるおかげで混乱がなくなった」
「お客様、従業員ともに好評」
「一律禁止から、解禁になって。職場が明るくなった」
という声がほとんどです。
ただ、問題がまったくないわけではありません。
a.「レベル7 で 染める」と「レベル7 に 染める」は違う
美容師によっては、レベル7で染めればいいと思っている人もいます。(JHCA会員サロン以外のサロンの場合)
しかし、ヘアカラーの染まり具合は、ベースになる髪の明るさやコンディションによって大きく変化します。正確に「レベル7に染める」には、それなりの知識と訓練が不可欠です。
b.明るすぎると注意したところ、「褪色しただけ、染めた当初は合格でした」と反論された
ヘアカラーは褪色します。染めていない根元も伸びてきます。ルールに定める際は、「いつもそのレベルでいることがルール」であることを明記しましょう。
…いかがでしたか?
簡単に紹介してみましたが、ヘアカラーの色は、それを気にしている人にとっては大問題。「ヘアカラー禁止といったら、採用した若い人が辞めてしまった」という職場もあります。
「大人だし社会人なんだから、自分にふさわしいレベルぐらい分かるだろう」と上司は思っていたが、実際には「明文化されていないから我慢していた。ルールができてよかった」という遠慮派も少なくありません。
ヘアカラーは微妙な問題、だけど当人にとっては大問題。
問題回避にはやはりルールをつくること。それによって見違えるほど雰囲気がよくなった職場もあります。どうぞご検討ください。


