February 2, 2006 6:37 PM

ヘアカラーでもっと日本人を。プロデュース!

●木原洋美(コピーライター/エディター 2005年JHCA全国キャラバン『職場のヘアカラーを考える』シンポジウム司会者)
060202_01.jpg

 昨年の9月から12月まで、JHCA全国キャラバン『職場に輝くヘアカラー』のシンポジウム司会として、日本全国(名古屋、仙台、高知、福岡、東京、京都)を訪れました。あともう一回、2月20日広島でのシンポジウムが控えてはおりますが、ここで印象に残っていることなど振り返ってみたいと思います。

060202_02.jpg

*(JHCA事務局より・以下同)シンポジウムでは、レベルスケールを利用されている企業の方々をお招きして、ヘアカラーを含む「職場のみだしなみ」に関する各企業内の状況をお話し頂きました。

 スタートの名古屋は、残暑厳しい9月(確か『愛・地球博』最終日の翌日)でした。出演されたパネリストは、比較的ヘアカラーの活用が進んでいる流通業とアパレルの方々で、「これからはヘアカラー一律禁止では通用しない。レベルスケールを導入してヘアカラーのルールを浸透させ、むしろヘアカラーをイメージアップに活用していくべき」という結論に行き着いたのでした。とはいえ、そこに到達するまでには、「レベルスケールを導入してはみたものの活用が進んでいない」と、多くの地元(名古屋に限らず)企業から、シンポジウムへの出演を断られたという話も聞き及んでいます。

060202_03.jpg

*今井英夫(NPO法人日本ヘアカラー協会設立発起人)

 シンポジウムのタイトル(テーマ)は『職場のヘアカラーを考える』であって、「レベルスケール活用のノウハウを広める」ではありません。もし、「導入したはいいが、活用が進まない」というのであれば、「どうしてか?」を考えることでも、その職場、あるいは地域における、「ヘアカラー事情」が浮き彫りになるでしょう。成功例だけでなく、失敗例から学び取る…ということも、あってよかったのではと思っています。しかしながら、「失敗はかっこ悪い、隠したい」という風潮は根強いですから、無理からぬことなのでしょう。関係者のみなさまのご苦労はお察し申し上げます。

*現在レベルスケールは全国の企業・病院・学校で45000セット以上が利用されております。 

 実は、シンポジウムのテーマというか、目的については、私も当初、理解が不足していた面がありました。「日本全国、とにかくヘアカラー解禁!」みたいなことを漠然と考えていたのです。浅はかでした。

 JHCA側のパネリストとして登壇されていた柿本氏の「どんなヘアカラーでも認めるべきだと主張するつもりはない。うちのサロンに、赤や金のトサカみたいな極端なカラーで面接に来たら不採用ですよ。うちはそんなカラーをやる店じゃない。その職場、企業、業種に応じたヘアカラーがきっとあるのだから、それを認めて欲しいということです」という発言を聞いて、「それはそうだ」と納得しました。考えてみれば当然のことであっても、そもそも考えて見なければわからないものです。

060202_04.jpg

*柿本栄三 (NPO法人日本ヘアカラー協会設立発起人)

 そういう意味で、シンポジウムは毎回、「職場のヘアカラー」「日本人とヘアカラー」「ヘアカラーの地域性」等々について私自身の考えを深めていく、『道場』のような時間にもなりました。台本として決まっているのは、大まかな流れだけ。出演してくださるパネリストの顔ぶれはいつも違いますし、業種も多彩。しかも、当日会場入りするまで、どういう方が出てくださるのか分からない・・・という状況も、なかなかにスリリングでワクワクする“真剣勝負”でした。

 あるパネリストからは「レベルスケールを導入して、ヘアカラーのルールを決めることが、身だしなみ全体を考えるきっかけになった」という発言がありました。一つの気づきが、いい効果となって全体へ波及していくことってあると思います。

 「ヘアカラーを禁止して、黒髪を強要するのは、服従しろということと同じ」という発言もありました。黒髪が「服従の証」なら、ヘアカラーは「自由意志の証」かもしれません。あらゆるビジネスの現場で、自己表現が求められる時代、伸びる職場あるいは経営者は、当然後者を選ぶのではないでしょうか。

060202_05.jpg

 「同じホテルチェーンでも、シティ・ホテルとリゾート・ホテルでは、採用する明るさのレベルを変えるのが当然。従業員が醸し出す雰囲気も、大切なサービスと考える」というホテル勤務のパネリストの発言には、思わず「へぇ!」。ホテルを利用する客の立場として、まさにその通りだと思います。

 職場におけるヘアカラーを、「染めるVS染めない」あるいは「保守VS革新」といった意識で捉える段階は、進んでいる企業においては業種を問わず既に過去だと実感しました。企業イメージの大切さを認識していれば、ヘアカラーはむしろ、積極的に「使いこなす」べきでしょう。

 シンポジウムに訪れたある学生は「一流企業の人たちが、ヘアカラーなんていうテーマについて、真剣に話し合うこと自体に驚いた。でも考えてみれば、企業イメージの力は大きいし、そこで働く人のイメージは大事。たかがヘアカラーじゃない。日本人はもっと、自分をプロデュースする意識が必要なのかも」と語ってくれました。

 私は常日頃、日本人はどうもイメージ戦略と言うか、自己プロデュースが下手くそだと感じています。たとえば大きなところでは、国際政治の舞台でも、表現方法がまずくて損していますよね。『職場のヘアカラーを考える』という、極めて身近なテーマをきっかけに、少しでも日本人の自己プロデュース能力が向上したら素晴らしいと思います。

 2005年度の全国キャラバン、シンポジウムは残すところあと1回。2月20日の広島も、とても楽しみにしています。広島のみなさん、どうぞよろしくお願いします。

*2月20日広島プリンスホテルにて開催いたします。

 それから最後になりましたが、私に、ヘアカラーについて考える、得がたい機会を与えてくださった今井委員長はじめJHCAのみなさまに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

投稿者:JHCA:Feb月 2日(Thu)