ヘアカラーは就職活動に不利でしょうか?
JHCAが、『職場のヘアカラーを考える』シンポジウムを企画した背景には、「学生時代にはカラリングを楽しんでいた人たちが、就職シーズンになると途端にみんな「暗い色に染め直す」という現象に違和感を持った…ということがありました。
本当に「就職活動にとってヘアカラーは不利」なのでしょうか?
昨年秋のシンポジウムで、この問いかけをしてみたところ、パネラーとなった4社中、3社は「不利にはならない」と回答しました。
むしろ、みんなが黒髪という状況こそ「不自然」という意見も。
「就職活動とヘアカラーについて」当日交わされた、興味深いやりとりを抜粋してご紹介します。
大切なのは髪の色ではない
●司会:就職活動を始めるにあたって、明るかった髪の色を暗く染める人もいるようですが、みなさんの会社ではリクルーターのヘアカラーについてはどうお考えでしょうか。
●木崎(日本航空):実際、私も客室乗務員の採用面接に立ち会ったりしますが、その際、髪の毛の色がかなり明るい方も受験されています。ただ、人間性や適正と違って、髪の毛の色は入社後どうにでもなります。ですから、まずは人間性や適正の部分を優先して採用し、その後、入社のときに、どこに何時に出頭しなさいという案内書を出すのですが、その中に身だしなみ規定を同封して、初出社のときにはこの規定にして出社しなさい、ということを言及し、採用しております。ヘアカラーで優越を付けることはありません。
●木村(KDDI):私は、直接人事担当者ではないので、よくわかりませんが。今年も百数十名の新入社員の研修という形で、前に立ったことがありました。その際に、やはりいろんな髪型、髪色の方がいらっしゃいました、今の時代ですから。
一つだけ新入社員にお願いをしたことがありまして、私ども、KDDI社員というのは、自分たちだけで企業が成り立っているわけではなくて、必ず日々お客さまと接客して、例えばauの携帯電話を売っていただいているショップの方々がいるわけじゃないですか、と。その方々に対してお願いしているヘアカラーのレベルを自分たちが守れないっていうのはどういうこと、っていうことで、比較的明るい人たちには、アドバイスといいますか、忠告をしたことがあります。
ただし、会社として採用の際には、そういったことで一切、偏見を持つようなことはしておりません。
●八木(プランタン銀座):会社説明会では、毎年だいたい800名ぐらいの人たちに、何日かに分けて来ていただいていますが、100パーセントと言っていいぐらい、みなさん、まっ黒な髪でいらっしゃいます。すごい状況です。プランタン銀座だけをめがけて会社説明会に来るのではなくて、いろんな会社をまわって来るわけですから、それぞれの会社に合わすというよりは、その方が無難かな、という形だと思います。その中のほんの数人が入社という形になりますが、入社して、だんだん柔らかめな、明るい色になっていくという形です。
●司会:逆に不自然ですよね。
●八木:不自然ですね。特徴がないというか。
●園本(ホテルオークラ):ホテルオークラはヘアカラーを禁止をしているので、たいへん難しい質問ですが、ホテルオークラから見ますと、まだ保守的な考えなので、無難な線で、ヘアカラーをせずに就職活動をするべきではないかという、人事の答えは確かにあります。今後はまた、みなさまのように、女性と男性区別なく、というようになっていくかと思いますけれども、現状ではそういう考えを持っております。
●司会:そうしますと、仮に、能力も人物評価とかも同じ人間の方が2人いたとして、片方は染めていて、片方は染めていなかったとしても、日本航空さんなどは、ぜんぜん採用には影響しない、ということですよね。
●木崎:そうですね。両者採用すると思います。
●司会:KDDIも?
●木村:はい。採用します。
●司会:プランタンさんも?
●八木:はい。
●今井(JHCA発起人):ということは、ぜひ、黒くしている人は採用しないでください、とお願いしたくなりますね。だって、嘘つきと言うか、自分を隠しているわけですよね。ごめんなさい。これはちょっと言い過ぎかな。
【会場質問より】
「自分を隠して就活したくない」
●男性:今日はありがとうございました。私、今、スーツを着ていますけど、普段は大学3年生をやっていて、今年リクルーターになる予定の者です。それで、先ほど、別に髪の色が何色でも問題ないっていうふうにおっしゃってくださったんですが、実際、金髪で面接に行ったら受からないのでは…とも思います。何番までの明るさだったら、面接に行った際にいいのかっていうことを教えてください。私自身、今井さんもおっしゃったように、普段の自分を隠して就活をしたくないな、と思っていますので、そういった基準を教えていただけたらなと思います。よろしくお願いします。
●木崎:先ほどの答えの繰り返しになりますが、仮にかなり明るめの方がいらしても、それだけで合否を決めるということはありませんし、すごく髪の毛が明るいから、企業に応募する心構えもなってないんじゃないか、というようなことも考えませんし、実際にこちらから伺う内容というのも、みんな同じことを伺って、その時に、受け答えの表情だとか、雰囲気だとか、その人の個人の適性とか、そういう部分をよく見させていただいていますので、あまり関係ない部分なんじゃないかなと思います。ただ、本当にですね、例えば、客室乗務員として働きたい、といったときに、実際、自分である程度の身だしなみには、清潔感のある、なおかつ清楚な、相手に対してすごく感じがいいと思われる、そういうような印象を自分が出せている、ということであれば、それでいいと思います。本当にそれが一番ご自身を、客室乗務員としての接客に適切なものを、出せてるのかどうなのか、ということは、考えていらっしゃるのがいいのかな、とは思いますけども。100人いたらやっぱ100の個性っていうのはたぶんあると思いますので。
●司会:やはり、おしゃれとしてのヘアカラーもありますけども、自分をどう見せたいか、プロデュースしていくために、その色が、そのプロデュースしたい像に合っているかどうかということもあるような気が私はいたします。
●木村:そうですね。おっしゃるとおりです。「自分を隠してまで就活したくありません」、って、すばらしいですね。そう言えるぐらい、ちゃんとご自身を持っていらっしゃる方であれば、髪のレベルが10だから、12だからとか、12はさすがにしんどいかもしれないですが、今7くらいですかね、お見受けするところによると。ぜんぜん問題ないと思いますし、髪の毛だけじゃないですよね。その、人と会う、特に目上の人と会うときの身だしなみのし方って、あると思います。例えば、今、袖のボタンは、はまっていますか、とかね。そういうところをきちっとしさえすれば、髪の毛だけじゃない部分でご自身というのをきちっとアピールできるし、特にうちみたいなベンチャーの企業なんかは、たぶん大歓迎だと思いますので、もし興味あったらぜひ応募してください。
●八木:プランタン銀座も、まったく同じでございます。10番まではオッケーしています、と面接の時にお話はします。その人が例えば14番、15番であったとしたら、プランタンの場合は10番です、もしあなたが、うちの仕事が決まった場合、10番まででやっていただくのは可能ですか、という話はしております。ただ、それ以上に気にするのは、やっぱりお袖口のボタンであるとか、清潔感であるとか、そういう部分を、髪の色よりも何よりも重要視しています。
●園本:何番とか、そういうふうに気にされずに自分らしさを出すのが一番いいんではないでしょうか。ほんとにそこの会社に入りたいという意欲、第一印象というのも大事ですけども、面接というのはその後のお話があるわけですから、そこでおおいに、それ以上に、自分の意欲を伝えれば、お話は通じるかと思いますし、そこでもしダメであれば、ほんとに縁がなかった、というふうに思った方がよろしいと思います。反対に無理にそこに入ってしまって、やっぱり自分の考えと違っていた、っていうことで、結局早く辞めてしまうということもありえますので、自分らしさを大事にしたらよろしいのではないでしょうか。


